まつ毛が目に当たる(逆さまつ毛)
「まばたきをするたびにゴロゴロする」「目がしょぼしょぼする」「充血が治らない」
そんな症状が続いている方は、まつ毛が目の表面に当たっている可能性があります。
これは、いわゆる「逆さまつ毛(医学的には睫毛乱生・眼瞼内反など)」と呼ばれる状態で、目に直接まつ毛が触れてしまうため、目の表面(角膜や結膜)が傷つき、不快感や痛み、炎症、視力の低下を引き起こすことがあります。
どんな症状がありますか?
逆さまつ毛によって、次のような症状が起こります。
- 目がゴロゴロする、異物感がある
- 涙が出やすくなる(流涙)
- 慢性的な結膜炎、充血
- 目やにが出る
- 光がまぶしい
- 視界がかすむ、にじむ
- 角膜に傷がつくことで、視力が落ちることもあります
どうしてまつ毛が目に当たるの?
まつ毛が目に当たる原因は人によってさまざまです。代表的なものは以下の通りです。
- 睫毛乱生(しょうもうらんせい):まつ毛の一部が内向きに生えてしまう状態
- 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう):まぶたの縁ごと内側に巻き込まれてしまう 状態(加齢やけが、炎症が原因のことも)
- 先天性のまぶたの形状異常:生まれつき、まぶたやまつ毛の向きが内側を向いている場合(睫毛内反症)
- けがや手術後の瘢痕(はんこん):皮膚のひきつれによってまつ毛の向きが変わってしまうこともあります
どのような治療がありますか?
症状の程度や原因によって、治療方法は異なります。以下のような選択肢があります。
1. まつ毛抜去(応急処置)
内向きに生えているまつ毛を一時的に抜く処置です。すぐに楽になりますが、数週間でまた生えてくるため、根本治療にはなりません。また、抜毛を繰り返すことで眼瞼の状態が変化し、症状が悪化することがあります。
2. 毛根の処理(毛根切除)
繰り返し生えてくるまつ毛に対して、毛根を切除して生えないようにする方法です。部分的な逆さまつ毛が生えている場合に施行します。
3. 手術(眼瞼内反症や皮膚のたるみ、先天性による場合)
まぶたごと内側に巻き込んでいるようなケースでは、まぶたの形自体を整える手術(眼瞼形成術)を行うことがあります。当院では局所麻酔での手術が可能で、短時間の日帰り手術で対応できます。
当院での取り組み
- 原因に応じた診断を大切にし、眼瞼・まつ毛・角膜を丁寧に診察します
- まつ毛処置から手術まで幅広く対応しており、無理なく根本治療が可能です
- 小児、高齢者のにも対応し、自然な見た目と快適なまぶたを目指します
「様子を見る」前に、ご相談ください
「たかがまつ毛」と思われがちですが、逆さまつ毛が原因で目の表面に傷がつくと、視力障害につながることもあるため、早めの診察がおすすめです。一見、まつ毛が眼球に当たってないように見えても、目の違和感や涙目、充血が続く場合は、お気軽にご相談ください。